2006年12月09日

涙の在処

悲しい時、悔しい時、嬉しい時、感激した時、
人はいろいろな場面で涙を流す。
ではその涙は誰のためのものなのか。
誰のために、何のために、僕達は涙を流すのか。

このテ−マを突き詰めて考えていくと、
人というものの存在に関する奥深いところまで
突き詰めていかなければならない。

それは辛いことだし、
触れたくない部分だってあるし、
それよりも何よりも、
その答えに僕は辿り着くことが出来ないだろう。


辻村深月さんの「ぼくのメジャースプーン」は
罪と罰、というような、
両極端な心理の行方を描きながら、
人の心の有り様をある時は優しく、
またある時には非情とも思える表現で描き出していた。

しかしのこ作品「ぼくのメジャースプーン」では、
小学生の男の子と女の子を主人公に据えることにより、
このような小説ではとかく深刻になりがちな物語に、
少しばかりの潤いと憩いをもたらしてくれている。

人の涙の在処を探る物語だった。
僕には涙の在処は解らなかったけど、
ラストの数頁は涙を流しながら読んだ 苦笑

きっと答えなんてない問題なのだと思う。
答えがないということは、
決して解決することのない問題でもあると思う。

それでも僕達は歩み続ける。
歩み続けるための勇気を、ほんの少しだけれど、
この小説は読む者に与えてくれる。

ぼくのメジャースプーン


yori1199 at 19:32 │Comments(10)TrackBack(6)この記事をクリップ!他のタ、ナ行作家 

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この記事へのコメント

1. Posted by たまねぎ    2006年12月09日 20:20
yoriさんこんばんは。
何が正しくて何が正しくないのか、人間の存在そのものを問い掛けられるようでありながら優しさに溢れていて、本当に勇気を与えてくれる本でした。私も堪え切れませんでした。
ところで、教授の過去は別の作品に書いてあるそうです。後で知ってナニーッと叫んでしまいました。しかもこの前読んだ本には、ふみちゃんが登場していました。この本の前の作品なのでぼくは出ていませんでしたが。どうやら伊坂作品みたいに人物の繋がりがあるようです。
2. Posted by 菱沼    2006年12月09日 21:50
この本読んでみたくなりました。私は腹が立ったり悔しくて怒りながら泣くことが多いので、本を読んで泣くことはあんまりないですね。
3. Posted by yori    2006年12月09日 23:15
たまねぎさん
なるほど、過去の作品にも登場しているのですね。そうなると他の本も読んでみたい、と思わせる出版社の策略に、解っていてもはまってしまうのでした 苦笑
4. Posted by yori    2006年12月09日 23:16
菱沼さん
若い頃はこんなに涙もろくはなかったと思うのですが、今は駄目です 苦笑 ちょっとしたいい話で泣いてしまいます 苦笑
5. Posted by きりり    2006年12月10日 02:18
泣く時はなんの前ぶれなく涙が出ます
考えると何を基準に出てるのか不思議です
電車で本を読むから最近電車のなかでも涙を浮かべて必死で堪えてたりします
感情の高ぶりで出ますね 怒りでも、ただの興奮でもなんでも出るので困りものです
6. Posted by yori    2006年12月10日 18:49
きりりさん
電車の中は本当に拙いですね 苦笑
これは駄目だと思うと、
私の場合、速やかに本を閉じてしまいます 笑
7. Posted by エビノート    2007年04月19日 22:36
こんばんは!
なかなか答えのない問題に逃げずに向き合った「ぼく」に頭が下がりました。
私は途中で考えるのを放棄してしまいそうですもの。
でも、確かに「歩み続ける勇気」を「ぼく」とふみちゃんの関係からもらったような気がしますね。
とても良い物語でした。
8. Posted by yori    2007年04月20日 00:02
エビノートさん
本当に素敵で、そして切ない物語でしたね。
僕の将来とふみちゃんの将来、
少しずつゆっくりと確かな足取りで、
歩んでいってほしいです。
9. Posted by きりり    2007年12月16日 12:12
良い本だったんですが、間がちょっと長くて(そこがいいんだろうけど)むむ〜と思ったんですが、逆に最後が引き立った感じです
10. Posted by yori    2007年12月16日 17:37
きりりさん
仰ること、よくわかります。でも最後は涙が止まりませんでした。歳を取ると涙もろくなりますね 苦笑

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