2008年01月07日

遠回りでスキップ

遠回りをする人生は不器用なのか、
近道ばかりの人生が持て囃されるのか。
世の中、決してそんなことはないし、
そんなに簡単に割り切れるほど、
生きるということは解りやすくはない。

生きることには色々な要素があるけれど、
例えば恋、
恋を廻る想いもまた、一つの生き様であり、
そこには人それぞれの心模様が、
ひっそりと隠されながらも、しっかりと刻まれている。

島本理生さんの「クローバー」を読んだ。
島本さん御本人が、
後書きで「これは恋愛小説でも青春小説でもない」
と書かれている通り、
そのような安易なカテゴリーで括ってしまうのは、
この小説には似合わない、ような気もするのだが、
それでもやっぱり私の読後感は、
素敵な恋愛小説であり、真摯な青春小説という印象だった。

青春とは揺れる時代である。
また、揺れていてもいい、という時代でもある。
遠回りをすることだって、もちろんいい。
近道にはない原石が、きっとそこには転がっているのだろう。
でも、遠回りだけでは、なかなか先へは進めない。
だから少しだけスキップをしながらの遠回りがいい。

「クローバー」
この作品、島本さんとしては明るくて、
とてもユーモラスで、でも登場人物達は
そこにある青春に戸惑い、目の前の恋に揺らぎ、
限りなき未来に足踏みをする。

この作品での島本理生は、
これまでの作品群から持たれていた印象とは少しだけ異なる。
至極個人的な感想だが、
何かが吹っ切れたような、前向きな爽やかさがある。

そしてもう一つ、
彼女の作品では御約束的に登場してきた駄目男君が登場しない。
まさに島本理生の新境地 笑
じっくりしっとりと、楽しませてもらいました!!

クローバー


yori1199 at 23:18 │Comments(10)TrackBack(6)この記事をクリップ!島本 理生 

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1. クローバー 島本理生  [ "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! ]   2008年01月08日 01:00
4 クローバー ■やぎっちょ書評 いやいや。まいった。・・・好き!(キャッ) うんとね、この本はいろんな意味ですごかったなぁ。とは言っても、気がつけばあちき・・・島本理生さんの本全部読んでいるわけで、これまでの小説を知っているわけですよね。どうしてもその目線....
2. クローバー 島本理生  [ 粋な提案 ]   2008年01月08日 16:57
カバー撮影は高橋和海。装丁は鈴木成一デザイン室。「野性時代」連載。 語り手の僕、冬治と双子の姉、華子はともに大学生で同居中。我が強くて思い込みが激しく負けん気が強い華子の恋愛は?。そして冬治にも訪れる恋。 高いプダÉxAĉP
3. クローバー 〔島本 理生〕  [ まったり読書日記 ]   2008年01月08日 21:45
3 クローバー島本 理生 角川書店 2007-11売り上げランキング : 4594おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ≪内容≫ 世界はうつろい、大切なものさえ変わってゆく――それでも一緒にいたいよ。 ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不...
4. クローバー 島本理生  [ 苗坊の読書日記 ]   2008年01月13日 10:22
4 クローバー ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。 双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬冶。 今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。 冬冶も微妙に挙動不審な才女、雪村さんの捨て身アタッ....
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6. 島本理生 『クローバー』  [ 映画な日々。読書な日々。 ]   2008年09月08日 23:12
クローバー/島本 理生 ¥1,365 Amazon.co.jp ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬冶。今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。冬冶も微妙に挙...

この記事へのコメント

1. Posted by やぎっちょ    2008年01月08日 01:03
yoriさんこんばんは♪
「近道にはない原石が、きっとそこには〜」の「原石」を「はらいし」と読んでしまい、「はらいしって何だ?」と数秒悩んだ自分って・・・。
次の作品も新境地的に楽しみですね!(と、本文の感想を飛ばしてしまった・・・)
2. Posted by 藍色    2008年01月08日 16:57
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

今までの島本さんとはかなり違ってましたね。
「何かが吹っ切れたような、前向きな爽やかさ」
に、大きくうなずけました。
そうそう、駄目男君が登場しないのがさらによかったです(笑)。
3. Posted by エビノート    2008年01月08日 21:55
こんばんは!
悩み、迷う登場人物達に、素直に頑張れ!と声をかけたくなる内容でした。
前向きな感じに好感が持てました。
4. Posted by yori    2008年01月08日 22:22
やぎっちょさん こんばんは
漢字は難しいですねえ〜 笑 簡単な漢字が読めない時もそうですが、一番恥ずかしいのは、ずっと昔からそう読んでいた読み方が、実は間違えていた、と気付いた瞬間です 笑
5. Posted by yori    2008年01月08日 22:24
藍色さん こんばんは
今回は駄目男どころか、全般に好感が持てる男が揃っていました!! 島本さん、結婚して作風が変わったか 笑 ということで今年もよろしくお願いします!!
6. Posted by yori    2008年01月08日 22:26
エビノートさん こんばんは
この作品は、前向きだなあ、と感じましたね。これまでの作品が後ろ向きだったというわけではないのだけど、やっぱり駄目男君がいないからかなあ〜 笑
7. Posted by 苗坊    2008年01月13日 10:42
こんにちは。TBさせていただきました。
今までの島本作品とは違う!
って、思いましたね。
本当に新境地と言う感じでした。
前向きですよね。
最後の最後の一文が、冬治の決意を感じさせました。
8. Posted by yori    2008年01月13日 23:49
苗坊さん こんばんは
冬治の決断、たとえ結果がどうなろうとも、自らが選び取った答えですから、しっかりと闘っていけるんじゃないかな、と思います。
9. Posted by masako    2008年09月08日 23:36
こんばんは。
TBさせていただきました。
今までの島本さん作品の中で一番好きです。
素敵なお話でしたね。
10. Posted by yori    2008年09月10日 23:30
masakoさん こんばんは
青春してましたね!! こんな島本理生は良いです。湿った彼女とは違った、向日葵のような島本理生でした。

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